民法の「民」は庶民の「民」。国民の「民」。です。
人が生きていくために必要な行為、衣・食・住。
宅建士はそのなかの、「住」に関わる国家資格です。
庶民が誰でも関わりのある「住」の取引に、必然として民法が重要になります。
まずは、民法で最初に学ぶべき「契約」について・・・
食べるために米を買う。お米屋さんと契約。
ユニクロでシャツを買う。ユニクロと契約。
契約という言葉でいうと、なんだか仰々しいが、実は私たちは毎日誰かと「契約」をしています。
契約とは当事者同士で結ぶ法律上のお約束。
法律上のお約束は契約が成立した場合、契約で決めたことを守らなくてはならないという「義務」が生じます。
上記の、お米屋さんで米を買った時、配達を依頼したのにお米屋さんが配達してくれなかった。
お米屋さんは、配達をするという契約を果たす義務に違反した。ということになります。
上記の、ユニクロでシャツを買ったのに、お金を払わなかった場合、勝手にシャツを持って帰れば泥棒になります。
このように、契約の当事者は契約の内容に従って、相手に何かをさせる権利(米の配達)債権を取得し、相手に何かをしなくてはならない義務(シャツ代を払う)債務を負うことになります。
債務者はその義務を実行(履行)する責任を負うことになり、他方で債権者はその権利を行使できるようになります。
契約はいつ成立するの?
上記の、ユニクロでシャツを買う売買契約の場合、お客が店内に陳列されている1980円のシャツを手に取り、レジの店員さんに渡すことが申し込みの意思表示になります。そして相手が、レジで商品を会計すれば、申し込みを承諾することになります。
この申し込みの承諾の意思表示に書面が必要というわけはないのです。
もちろん、いちいちこのシャツくださいなんて、口頭でいう必要もなく、レジにもっていくという「態度」で意思表示が合致さえすれば、契約は成立します。
意思表示さえ合致すればどんな内容の契約も成立するの?
例えば、俺の女になれなどという愛人契約。
遅刻したら、その日のバイト代は払わなくてもよい、という雇用契約。
こんな契約は、公序良俗に反する行為として、民法で無効と規定されています。
民法は、庶民の法律。
めちゃくちゃな契約は、守る必要はないのです。
民法では、無効と取消しという言葉がよくでてきます。
「無効」とは、最初からなんの効力が生じていません。
上記の愛人契約では、たとえ相手の女性がお金に困って愛人契約にOKしたとしても、まもる必要はないのです。
つまり「無効」=ゼロ。ゼロに何を掛けてもゼロ。
「取消し」とは、取消して初めてゼロになります。
ということは、取消しがあるまでは、有効です。
「取消し」の例として、未成年者の法律行為の取消しがあります。
例えば、未成年者が、先祖の土地を不動産屋に安く売った、これを取消す。
取消したほうが、未成年者は得だから。
親戚の叔父さんからお小遣いをもらった、これは取消さない。
取消さないほうが、未成年者は得。
未成年者は、まだ未熟だから大人が保護しましょうというもの。
「無効」と「取消し」はよく出てきます。
過去問でよく押さえてくださいね。
それでは次回お会いしましょう。
小﨑:画
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