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宅建業法:営業保証金

宅建業者が、商いの中で一般消費者に損害を与えた場合に備えて、「営業保証金」という制度があります。

1.営業保証金制度

宅地建物業者は、一定額の営業保証金を供託し、その旨の届出をした後でなければ、事業を開始することができません。

①、供託額・供託場所・供託物

供託額は、主たる事務所について1.000万円、その他の従たる事務所1つについて500万円の合計額です。新たに事務所を増設した場合は、増設1事務所ごとに500万円を追加的に供託します。

供託する場所は、主たる事務所の最寄りの供託所となります。また、金銭のほか、国債・地方債などの一定の有価証券でも供託することができます。

②、供託をしないとどうなるのか

免許をおりた日から3カ月以内に、供託した旨の届出がないときは、免許権者は、免許をした業者に対し、届出をすべき旨の催告をします。

その催告が到達した日から1カ月以内に、供託した旨の届出がない場合には、免許権者は、免許を取り消すことができます(任意的取消し)。

③、還付と追加供託

宅建業者と宅建業者に関して取引をして、取引により生じた債権がある場合には、その相手方は、その業者が供託した営業保証金から弁済を受けることができます。

※還付請求をできるのは一般消費者で、宅建業者が相手方の場合はできません。

還付がなされると、宅建業者が供託すべき営業保証金の額が不足するので、宅建業者は、還付額に相当する額を、追加供託をしなければなりません。宅建業者は、免許権者から通知を受けた日から2週間以内に不足額の供託をし、追加供託した日から2週間以内に、その旨を免許権者に届けなければなりません。

④、主たる事務所が移転し最寄りの法務局が変わった場合

宅建業者が主たる事務所を移転したことにより、その最寄りの供託所が変更した場合には、営業保証金の供託所の変更が必要になります。

金銭のみで供託してしていた場合は、現に供託している供託所に対し「保管換え」を請求すれば足ります。帳簿上の決済で営業保証金を移転できるのです。

有価証券を含んで供託していたときは、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所に、新たに供託しなければなりません。

⑤、営業保証金の取戻し

営業保証金を供託しておく必要がなくなった場合は、供託所から供託金を取り戻すことができます。免許を更新しなかったり、免許取消しなどで免許の効力が失われた場合や一部の事務所を廃止した場合、保証協会の社員となった場合等。取戻しの手続きには、原則として6カ月以上の公告期間が必要です。


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