宅建業法:宅建業者が自ら売主の場合(8種制限)
1.割賦販売契約の解除等の制限
債務の履行遅滞がある場合民法上は、口頭による「相当期間の催告」により契約の解除ができまた、期限の利益の喪失約款(賦払金※割賦1回1回の支払金の、支払い遅滞があった場合には即座に残金を支払うという特約)があればすぐに残金の支払請求をすることも可能です。この原則を、宅建業法は8種制限で修正。賦払金の支払いが履行されない場合、「30日以上」の期間を定めて「書面」で支払いを催告し、その期間内に履行がない場合でなければ、賦払金の支払い遅滞を理由として契約を解除したり、期限の到来してない賦払金の支払いを請求することはできません。これらに反する特約は無効となります。
2.所有権留保の禁止
(1)原則
宅建業者は、自ら売主として宅地・建物の割賦販売を行った場合には、その宅地・建物を買主に渡すまでに「登記その他の引渡し以外の売主の義務」を履行しなければなりません(=登記名義等の留保の禁止)。
(2)例外
①残代金が多額の場合
②残代金について担保がない場合には、所有権留保ができます。それは次の場合です。
ア・支払いを受けた額が代金の30%を超えない場合、買主の支払額が代金の30%以下の場合
イ・残代金の担保のために、抵当権の登記を申請し又は、保証人を立てる見込みがないとき
※上記ア・イの脱法行為として行われやすい譲渡担保(担保目的での登記名義の移動)も、宅建業者が30%を超える額を受領した後は禁止されます。