不動産登記法:②
登記には、「対抗力」がある本登記と、対抗力のない仮登記があります。対抗力のない仮登記ですが、重要な意味を持っています。
1.仮登記ができる場合
①実態法上は登記すべき権利移動が既に生じてら、登記所に提出書類が整っていない場合。
②物権変動はまだ生じていないが、将来生ずる請求権は発生していてこれを保全する場合。売買の予約をした場合に、その予約完結権を保全するために仮登記をする等々。
仮登記も、本登記の場合と同様に売主と買主が共同して申請するのが原則です。
2.ただし、仮登記権利者が単独で申請ができる場合もあります。
①仮登記義務者が仮登記をすることを承諾したとき。
②裁判所が絡む場合
3.仮登記の効力
仮登記のままでは、対抗力はありません。が、仮登記には、順位を保全する効力があります。
仮登記の後に、その物件に本登記をした者がいたとしても、後日仮登記を本登記にすることにょって第三者に対抗することができます。これにより、本登記の順位は、仮登記の順位によることになり、これを仮登記の順位保全効といいます。